ふたりのはなし2
12月になっちゃったね。
本当はずっとずっと見ていたかったなあ。
でも、そうじゃない未来もあると知ってしまったから、ひどい自分はこの先、どちらも手放せないのだろうと思う。
私はアイドルじゃない彼をなんにも知らない。
ふたりのはなし/ひとりとひとり、彼とその人のはなし
何度目かのひとりを知ったあなたはどう生きるのだろう。
どう生きてもいいし、どう生きたって私たちは結局ひとりきりなのだろうと思う。
私はずっと、どうやったって人はひとりだと思っているけど、あの頃のあなたたちはもしかしたら、ひとりではなかったのだろうかと考える。
寄り添えていたあなたたちは、それとも今と同じくらい、いや、今よりももっとひとりだったのだろうか。だからこそだったのだろうか。
知る由もないし、知らなくていいとも思うけれど。
その時から今は始まっていて、今のあなたがこれからを形作っていく。
その過程をもう少しだけ近くで見ていたいと思うのは、ひどく傲慢だね。
揺らぐ焦燥のようなものを無視すれば、こんなにも外で見ているのは容易い。
どうなるか分からないから夢しか見ないけど。
なるべく、なんかいい感じにならんかなあとは思っている。
喉と鼻の奥にこみあげてくるものを下しながら言う。
ほら、大丈夫だよ。
大丈夫、まだいけるよ。
だから、どうか、
あなたを生きて。